営業アウトソーシング事業を展開している株式会社Surpassで、CMO(最高マーケティング責任者)をされている青木想さん。コーチングを受けたことで、自分の弱さをものすごく受け入れられるようになったといいます。経営者としてパフォーマンスを高めたい方、心を解いてたい方にインタビューです。
セルフマネジメントが仕事に直結すると知って
コーチングは、2018年の後半か2019年ぐらい、起業をした時から受けてますね。もともとコーチングに凄く興味があって。保険の営業をしていた時代から、感情だったり思考だったりを吐き出してアウトプットするセルフマネジメントが、パフォーマンスに凄く直結するなって思うようになったんです。起業してからは、自分のパフォーマンスが売り上げとか商談とかに全て影響するので、マインドを整えることを意識していました。
そんな折、「資格を取りました、コーチできるのでコーチング受けたい方を募集してます」っていう知り合いのSNSの書き込みをみてお願いしました。
コーチングにもいろいろなカラーがある
私が受けているのは、いわゆる決めたゴールに対してどういうプロセスを登っていきましょうかっていうコーチングではなく、どちらかというと、自分の潜在意識に触れて、そこで見えてきたものや感じてきたものから自分自身をアップデートしていくようなコーチングです。
お願いしているコーチは私とほぼ年齢が変わらない、女性の弁護士さんです。年齢も近くて、女性として信頼も尊敬もできると感じ、あまり迷いなくお願いしました。受け始めの頃は1カ月に1回でしたが、今はだいたい2カ月に1回のペースで通っています。
実は最初にコーチングを受けて半年後ぐらいに、コーチングをビジネスにしたいなと思って友人と2人でコーチングビジネス作ろうとしたことがありました。
そのときに試しにいろいろコーチングを受けてみたんですよね。それですごく色が濃いコーチ、妙に励ましてくれるコーチ、寄り添いすぎられちゃったり逆に話しづらかったりと、コーチによってカラーがいろいろあることを知ったんです。
同時に、客観的に一緒に立っててくれたり、同じ距離で一緒に潜ってくれたりして、そこから見えた私を言ってくれる距離感を保てるコーチと相性がいいことにも気づけました。
心を裸にして、自らをさらけ出す
コーチには、プライベートのことから仕事のことまで、もう本当に何でも話してます。最近は仕事のことも増えてきましたけど、当初は結構プライベートなことをコーチングしてもらうことがすごく多かったんです。
実は、だいたい3回に1回は号泣しながらコーチングを受けてるんですよ。でも逆にそういう場でしか自分を全部さらけ出して、心を全部あらわにできる場所がないから、むしろ率先して心を裸にしにいく……という感じです。
プライベートも仕事も、全部自分の中で起きていることだから、プライベートでわだかまりがあると、自分の人間関係や仕事のパフォーマンスに100%影響するって思ってたんですよね。なのでお金を払ってコーチングを受けることは、私にとってすごく価値のあることなんです。
コーチングを受けていくなかで、自分の弱さをちゃんと受け入れられるようになったんですよね。心をさらけ出すことが怖くなくなったし、自分を必死に守ろうとするものから解放されたというか。本当に生きやすくなったと感じます。人間だからパフォーマンス出ないときもやる気出ないときも、辛いときもあるし、それはそれでしょうがないんじゃないって開き直ったら、パフォーマンスが、とか自分のマインドちゃんと整えないととか、そういったことをあまり意識しなくなったんですね。
あとは人間関係の作り方にどこかフィルターがあったり、知らないうちに自分を責めていたりと、フラットに物事を見られない部分があったので、結構そういうところもだいぶ変わりました。
今の仕事でもポジティブな影響を与えています。起業した会社を畳んで今の会社にジョインしたときもそうですし、自分がこれから先目指したい場所を決めるときにもすごく役立っています。あと、定期的に自己と向き合って自分のありたい姿を確認するために使っていて。コーチングは駆け込み寺的な役割になっているので、すごく楽だな、安心だなって思えます。
潜在意識に触れて、自分の本質を体感する
コーチングを受けてて印象に残ったことは結構たくさんあるんですけれども、受け始めてから1年ぐらい経ったとき、潜在意識の中に入れて情景も浮かぶようになったんですよ。
例えば相手の話をしているときに、その人の光景というか風景が見えてくる。「目の前にいる人は、あなたにとってどんな風に映っていますか」と問われると、一面に氷の薄い壁に覆われてる相手が見えるとか。あとは「今想さんはどんなふうに感じますか?」と聞かれると、いきなりウワッと目の前に緑の草原が広がっていてそこに立っている自分が見えたんです。
コーチングを受けるなかで、見えてきた風景を通して相手を感じたり、自分の状況を理解したりすることで、自分の本質的なところに触れてるんだなって。すごく不思議な感覚なんですけど、そういう景色が見えるようになってから「コーチングすごいな」って余計に思うようになりました。
鎧をたくさんまとう女性にこそコーチングを
コーチングは仕事をバリバリこなしている女性やワーキングマザーに受けて欲しいです。
女性って結構完璧主義ですごく真面目なんですよね。人との関係性が仕事に大きく影響するにも関わらず、そういうことで影響されてしまう自分ってダサいとか、プロとして良くないとか、全部包含して自分を追い詰めている人はすごく多いと思ってて。それに仕事をバリバリこなしているいわゆるバリキャリと言われる女性って、男性とはまた別の鎧をたくさん被っているんですよね。あと私もそうですが、ワーキングマザーは仕事以外のところでいろんな利害関係をたくさん持っているんですよ。
家庭内でもそうだし、社会でも会社でもそうですけど、自分の弱さをコーチングで吐き出したほうが生きやすくなるし、自分のパフォーマンスを発揮できるのではないかと思っています。
会社の部下には、ある程度パフォーマンスが上がってきたら勧めるかもしれません。コーチングって、自分にまだ軸がない人が受けてしまうと、自分らしさを履き違えたり「これが自分の本来の姿だ」って勘違いしてしまう部分があると思っていて。それに、スキル的に未熟な部分から目を背けて、変な理想に走られても困ってしまうので。
メンバーに勧めるとしたら、コーチと一緒に潜るようなコーチングではなく、設定した目標に向かいながら、現在とのギャップを埋めていくコーチングを受けて欲しいと思っています。