コラム

【マネージャーが知っておきたい組織論】組織マネジメントとは

あらゆる企業にとって、組織をまとめてスムーズに運営するために欠かせないのが組織マネジメントです。適切な組織マネジメントを行うことで、社員のモチベーションを引き出すだけでなく、企業全体の収益アップにも影響を与えるといわれています。

そこで今回は、マネージャーが知っておきたい組織論の根幹となる「組織とはなにか」
と「組織マネジメント」についてご紹介いたします。

■組織とは?

組織とは、ある目的を達成するために複数の人間によって構成された集まりを指します。
人が集まるだけの「集団」とはちがい、組織には以下3つの要素があります。

【組織の3要素】
◎円滑なコミュニケーションが取れること
◎お互いに協力する意思をもっていること
◎共通の目的をもっていること

これはアメリカの経営学者であるチェスター・バーナードが提唱した「組織が成立するための3要素」として有名であり、「コミュニケーション」「協働する意欲・貢献意欲」、
「共通の目標・組織としての目的」のどれもが組織にとって一定水準以上満たされていることが必要であるとされています。

 

組織がしっかりしていれば、パフォーマンスは上がる?

それでは、組織としての3要素が満たされた状態が続く限り、その企業は目標を達成し続けられるかというと、そうとも言い切れません。実際の組織は生身の人の集まりである以上、環境の変化の度合い、個々の業務の比重、組織としての柔軟性など、さまざまな要因によって難しい局面が出てくることがあります。

そこで組織を管理(=マネジメント)するマネージャーとしては、組織をいかに有効に機能させていくかに注力する必要が出てきます。そのために必要不可欠になってくるのが
「組織マネジメント」です。
次の項目では、組織マネジメントについてご紹介いたします。

■組織マネジメントとは


マネージャーに求められる「組織マネジメント」

「組織マネジメント」とは、組織が効率的、かつスムーズに業務を行えるようにするため、会社の限られたリソースや人員、情報などを管理することです。
組織マネジメントで求められるのは、業務の効率化と組織の生産性向上であり、組織内にある無駄な業務を整理・排除し、業務をより効率よく進められるようなシステムづくりを行っていきます。

 

組織マネジメントが必要とされる背景について

組織マネジメントが必要とされるようになったのは、どのような背景があるのでしょうか。近年、世界的なグローバル化やイノベーション化によって、旧来よりも企業間の競争がより激しくなっています。さらに、国内問題として少子高齢化による慢性的な人手不足なども影響もあり、日本ではより効率的な組織運営が求められるようになっています。

そうしなければ、目まぐるしく変化する世界経済の中、企業間競争にも勝ち抜くことができない現状があるのです。不確実かつ変化スピードの速い環境下で組織をまとめ、業務の進行を効率よく進めて最大限のパフォーマンスを引き出すには、組織マネジメントが必要不可欠になっていると言えます。

組織マネジメントを取り入れる3つのメリット

企業にとっても組織マネジメントを取り入れることは、以下3つのメリットがあります。

【3つのメリット】
  1. 目標達成に効率よくリソースを集中できる
    組織マネジメントを取り入れることで、企業が組織で掲げる目標を達成するためにどんなタイミングでリソースを集中するべきかを判断し、自社の戦略に経営資源を効率的に投下することができるようになります。
  2. マネージャーのマネジメント力を向上させる
    組織マネジメントを取り入れることで、マネージャーが自らのマネジメント力を向上させられるようになります。従来の管理業務として社員の状況を把握するだけでなく、マネジメント手法として全体的な組織運営にもプラスになります。
    またマネジメントで組織としての適性化をはかることは、マネージャー自身の負担軽減にもつながっていくでしょう。
  3. 組織を活性化させ、多様な人材に対応できる
    組織マネジメントを取り入れることで、組織内の個人のスキルや能力を活かし、
    企業全体を活性化させることができるようになります。また、近年とくに注目されているグローバルで多様な人材、かつ多様な働き方を求める人材も組織にスムーズに取り込めるようになります。

■組織マネジメントに必要な3つの能力とは?


マネージャーが組織マネジメントに関わる上で必要なスキル・能力にはどんなものがあるのでしょうか。ここでは主な3つをご紹介いたします。

【3つの必要な能力】
  1. コーチング力(Coaching)
    ビジネスモデルの変化も激しく不確実な経営環境下では、組織が掲げる目標の達成手段をトップの指示だけに頼ることは難しくなります。
    社員一人ひとりが自ら意識を持って動くためには、彼らへの「動機付け」が必要となります。そこで個々人の能力を引き出すのが「コーチング」する力です。
    コーチングとは、相手の話に耳を傾け観察や質問を投げかけながら、ときに提案などをして相手の内面にある答えを引き出す目標達成の手法のことです。マネージャーとしてただ指示を与えるのではなく、話を聞きながら社員の自発的な言動を促進させていく力が求められます。 
  2. コミュニケーション力(Communication)
    企業は主に3つの階層(経営陣、管理職(マネージャー)、社員)から構成されていますが、この中間層にあたる管理職にとって、経営陣と社員をいかにつないでいくかが組織マネジメントの肝となっていきます。
    企業が大きくなればなるほど階層間での円滑なコミュニケーションが難しいケースもあります。従来のようなトップダウン方式でそのまま伝えるだけでは、社員のモチベーションは上がらないでしょう。そこでマネージャーには経営陣の意向を社員間で共有し、
    個々人のモチベーションや目標設定、貢献意欲の引き出しにつながるような
    「伝える力」が求められます。
     
  3. 管理能力(Management)
    目標を達成するには、組織のPDCAサイクル管理が不可欠です。
    マネージャーは目標を達成するための計画力、実行力、管理する能力など、
    PDCAサイクルを回していくための一連の管理能力が求められます。
    また、あわせて定期的に組織内の進捗状況チェックを行うことも必要です。
    社員の個性に合わせた進捗管理(細かな管理が適切な人材、ある程度任せて最終チェックで良い人材など)が望まれます。

■まとめ

企業が事業を継続し成長を続けていくために、また業務を効率よくスムーズに進めていくためにも、組織マネジメントは欠かせないものの一つとなっています。
適切な組織マネジメントを行うことで、効率化や社員のモチベーションを引き出すことができるようになり、組織として活性化を図ることにもつながります。
管理業務にこれから携わるマネージャーは、マネジメントに必要な3つの能力をぜひ磨いていってほしいと思います。

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